BSEL modで遊んでみた

試したことは文章が長い上に写真が多いから続きへ

メモ書き


○BSEL modについて
LGA775のBSELとは
CPUからマザーボードに、CPUのFSBとベースクロックを伝える信号のこと
信号線にはBSEL0 BSEL1 BSEL2の3つがあり、Lowの電圧なのかHighの電圧なのかでFSBを判断している


FSBとは
フロントサイドバスの略で、CPUとマザーポードを接続する転送クロックのこと
CPUのベースクロックを4倍したものがFSBクロックになる
一般的に、これが高ければ高いほどCPUマザーボード間の秒間転送速度が速くなる

ベースクロック FSBクロック
200MHz 800MHz
266MHz 1066MHz
333MHz 1333MHz
400MHz 1600MHz


・BSEL modとは
BSELの信号を意図的に変更させて、マザーボードで生成されるベースクロックとFSBクロックを変更すること
多くの場合はクロックを上方へ引き上げるオーバークロックに使われる


BSEL modで電圧のHigh/Lowは、VccとVssで切り替えるのが楽らしい
Vcc:入力された電源電圧、CPUに供給されている電圧
Vss:0Vに近い基点電圧、GNDに接続されていることが多い



※ここ重要
CPUが動作するのに必要なベースクロックとFSBは、マザーボード上のクロックジェネレータで生成されてます
CPUが自分自身の動作クロックを生成しているのではありません


○準備したもの
LGA775の各種CPUのデータシートのPDFドキュメント

プロセッサー - インテル
http://www.intel.co.jp/jp/products/processor/index.htm

BSELに関する概略的な知識
度胸(笑)


キッチン流し台用のアルミテープ
ピンセット
ハサミ、糸きりばさみ
実験台となるパーツ一式


・ベースクロックとBSELの対応表

各種データシートから抽出してまとめてみた


・CPUのピン配列

目的のピンは、左の列でやや中央よりの位置に配置されている
BSEL1:30 H、BSEL2:30 G、BSEL0:29 G
これは真上から見下ろした配列なので、実際にアルミテープを張り付ける時は左右が反転する

○実験その1
マザーボードAsus製 P5K
使用CPU: Intel Celeron 430
(LGA775、CPUクロック:1.8GHz、FSB:800MHz、ベースクロック:200MHz、クロック倍率:9倍)
HDDはまだ取り付けてないので、OS側からのクロックは確認不能
他のパーツは省略


電脳技術研究所『Pentium Dual-Core E2140 の FSB1066MHz 化』
http://www.98server.org/hyper98/FSB1066/index.html
このページを参考に、FSBを 800MHz から 1066MHz に切り替える


BSEL対応表より、ベースクロックが200MHzのときは
BSEL2:L / BSEL1:H /BSEL0:L


これをベースクロック266MHzの
BSEL2:L / BSEL1:L /BSEL0:L
にするためには、BSEL1を2個飛ばしたところにあるVssに接続して電圧をLに落としてやればよい



アルミテープを切り貼りしてみた


・結果


ベースクロック 266MHzへの切り替えに成功
266MHz × 9倍 → 2.40GHz


・問題発生
再起動すると、電源は点いたままだがウンともスンともピープ音が鳴らずに画面に何も表示されない
電源を落として点け直しても変わらず


アルミテープを外して電源入れると正常起動


何度試しても初回起動は正常なのに、2回目の起動で失敗する
これは・・・だめっぽいか


気を取り直して、次に逝ってみよう

○実験その2
マザーボードAsus製 P5K
使用CPU: Intel Pentium Dual-Core E6500
(LGA775、CPUクロック:2.93GHz、FSB:1066MHz、ベースクロック:266MHz、クロック倍率:11倍)
HDDはまだ取り付けてないので、OS側からのクロックは確認不能
他のパーツは省略


今度はベースクロック266MHzの
BSEL2:L / BSEL1:L /BSEL0:L
から、ベースクロック333MHzの
BSEL2:H / BSEL1:L /BSEL0:L
にするため、BSEL2をBSEL1挟んだところに配置されてるVccに接続してHに上げてやる



ピントが合わないけど、アルミテープを切り貼りしてみた


・結果

ベースクロック 333MHzへの切り替えに成功
333MHz × 11倍 → 3.66GHz


・またしても問題発生
実験1と同じ症状が出たので断念


ちょっと凹んだorz

○実験3
マザーボードAsus製 P5Q Deluxe
使用CPU: Intel Pentium Dual-Core E6500


実験2で使ったE6500をそのまま別のマザーボードに装着


・結果
ポスト画面での認識SPEEDは3.66GHzで成功かと思いきや、Windows7起動してCPU-Zで現在のCPUクロックを見てみると2.93GHz
失敗くわっ


・ここでも問題発生
実験1、実験2と同じ症状orz


もう疲れたヨorz

○追試1
マザーボードAsus製 P5K
使用CPU: Intel Pentium Dual-Core E6500


CMOSをクリアして、初回起動時にBIOSオーバークロック関連の項目をいじってみた
Advanced → JumperFree Configuration
Ai Overclock Tuner Auto → Manual
FSB Strap to North Bridge Auto → 333MHz
FSB Frequency 266MHz → 333MHz
PCIE Frequency Auto → 100MHz
DRAM Frequency Auto → DDR2-800MHz
変更点はこんな感じ 再起動させると「ピコっ」とビープ音が鳴って正常に起動、ポスト画面で SPEEDが3.66GHz しかしハードウェアモニタを見ると、CPUへの供給電圧は1.37V付近 これって、普通のオーバークロックなんじゃ・・・?


○考察
アルミテープによるBSEL modは失敗っぽいから、普通にマザーボードBIOS設定からオーバークロックした方が手っ取り早くて安全という結論に至る


オーバークロック機能がついてるマザーボードだと失敗するっぽい?
もしかしてと思って、マザーポードのマニュアルを読み返してみる


今回の実験で使用したマザーボード P5KとP5Q DeluxeのBIOSには、「Strap to North Bridge」という設定項目が付ついている
これは『BSELによるCPUベースクロックとFSBの検出を、物理的な結線ではなくBIOS側で変更できる』というもの
つまり・・・アルミテープを使ったBSEL modは、ここの設定を変更することで代用できるっちゅーこっちゃ


Intel製 DP35DP(オーバークロック機能が付いてないマザーボード)で試しとけばよかったかも
ZZZzzz